日本生化学会にて発表しました

日本生化学会にて発表しました

 2022年11月9~11日、愛知県国際会議場で開催された日本生化学会にて、院生の新村さんが学会発表をしてきました。
演題は「Aldo-keto-reductase family 1, member c6 (Akr1c6)の機能解析」です。
 加齢指標タンパク質30(Senescence Marker Protein-30, SMP30)は、加齢に伴い肝臓や腎臓で減少します。
私たちは、SMP30遺伝子発現の加齢変化と相関する遺伝子を探索するため、6月齢と29月齢のC57BL/6雄マウスから肝実質細胞を単離し、1細胞単位での遺伝子発現を網羅的に解析できる包括的シングルセル解析(single cell RNA seque
ncing, scRNA-seq)を実施した。その結果、SMP30遺伝子発現と相関する遺伝子としてAldo-keto-reductase family 1, member c6 (Akr1c6)を見出しました。
興味深いことにAkr1c6のファミリータンパク質である、Akr1a1とAkr1b3はビタミンC合成酵素であることが以前に報告されています。
また、SMP30は哺乳類におけるビタミンC合成経路の最後から2番目の酵素、グルコノラクトナーゼであることを私たちは明らかにしています。
そのため、Akr1c6はビタミンC合成酵素である可能性が高いと考えられます。
そこで、私たちはAkr1c6遺伝子欠損マウスを作出し、ビタミンCを含まない餌で飼育しました。
そして、血中や様々な臓器のビタミンC量を野生型マウスと比較しました。その結果、Akr1c6遺伝子欠損マウスの腎臓でのビタミンC量は、野生型マウスに比べて低値を示しました。
これらの結果により、Akr1c6はビタミンC合成に関与する可能性が示唆されました
 新村さんは学会発表が今回で4度目となりました。