院生の鹿目さん、岸本さん、原さん、劉さんが「第76回日本酸化ストレス学会学術集会」にて発表しました。

院生の鹿目さん、岸本さん、原さん、劉さんが「第76回日本酸化ストレス学会学術集会」にて発表しました。

2023年5月24日~25日に神戸国際会議場にて開催された「第76回 日本酸化ストレス学会学術集会」にて、院生の鹿目さん、岸本さん、原さん、劉さんが発表しました。
鹿目さん:「酸化セリウムが腎障害とそれに伴う合併症に与える影響」
 慢性腎臓病(CKD)は、患者数が1300万人を上回る国民病とも言える疾患である。腎機能が低下した結果、脂質代謝異常や腎性貧血、高リン血症などの合併症を引き起こすことが知られている。
 CKD治療薬の候補物質として酸化セリウムに着目し、5/6腎切除モデル、アデニンモデル、二つのCKDモデル動物に与え、その実験結果を報告した。
岸本さん:「塩素系殺菌剤に含まれる活性分子種の再検討の必要性」
 塩素系殺菌剤は水や食品の殺菌に用いられている殺菌剤の一種である。しかし、その主成分である次亜塩素酸や次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌メカニズムはまだ分かっていない。
 そこで次亜塩素酸ナトリウムを用いて吸光光度計、pHメーター、イオンクロマトグラフを用いて実験を行った。また得られたデータを塩素系殺菌剤の評価法とされている有効塩素濃度、遊離塩素濃度を測定した結果、今までの通説と矛盾が生じてしまう。そのため、塩素系殺菌剤に含まれる活性分子種の再検討が必要である。
原さん:「ミトコンドリアダイナミクスを通じたアルツハイマー病とHSP60との関連」
 ミトコンドリア(mit)の機能不全がアルツハイマー病(AD)の発症に関連することは、数多く報告されているが、その詳細なメカニズムは不明である。
 これまでの研究から我々は、ヒートショックプロテイン60(HSP60)というタンパク質に注目した。また、脳神経の一部に異常な形のMitの蓄積を確認した。これらの結果は、ADの発症にHSP60とmitが関与している可能性を示しているが未だ不明な点が多い。
 そこで本研究では、ADの発症メカニズム解明を最終目的とし、mit融合と分裂を通じたADとHSP60との関連について検討した。
劉さん:「Neuroprotective effect of α-tocotrienol, reduce hydrogen peroxide-induced neurite degeneration via MARKs Tau signal pathway」
 ビタミンEの一つイソフォームのα‐トコトリエノールは、抗酸化作用と神経細胞保護作用を持っていることが報告され、それがTauの異常なリン酸化を抑え、MARKの活性化を抑制することにより達成される可能性が高いと証明できた。