「第33回 腎とフリーラジカル研究会」にて特別講演・研究発表をしました

「第33回 腎とフリーラジカル研究会」にて特別講演・研究発表をしました

 2022年11月12日、茨城県、茨城県県南生涯学習センターで開催された「第33回 腎とフリーラジカル研究会」にて福井教授が特別講演「加齢と脳酸化による認識機能障害のメカニズムの解明について」、アプローズの小川幸大さんは「高リン血症改善薬としての酸化セリウムの可能性」について研究発表を行いました。
 加齢とともに認識機能は低下します。ですが、これは当たり前の生理現象ではなくきちんと理由があります。それが生体の酸化です。鉄や銅が酸素と反応して酸化物になるのと同じく、我々の体も酸化して徐々にサビが蓄積します。この結果、老化が進み認識機能が低下する一因となることがわかってきています。今回は、このような加齢と脳酸化による認識機能障害のメカニズムの解明について特別講演をしました。
  研究発表では、共同研究で得られた成果について発表しました。慢性腎臓病に疾患すると、腎機能の低下により「高リン血症」を発症します。血液中のリン濃度の管理のため「リン吸着薬」が処方されますが、消化管内でのpHに依存して効力が変動するなど、薬剤ごとに使い分けが必要です。
リン吸着薬の候補として「酸化セリウムナノ粒子」を独自に開発し、酸性条件下だけでなく中性条件下でもリン吸着能力を確認しました。酸化セリウムナノ粒子のラットへの投与では、血清リン値の低下を示し、リン吸着薬としての可能性を見出しました。